笑いあり、涙あり、迫真の立ち回りもあり! 時代劇映画『侍タイムスリッパー』にこがけん「時代劇愛に胸が熱くなる」

2023年10月14日(土)

レポート

物語の大きな鍵を握る時代劇俳優を演じた冨家さんは、「脚本を読んで、時代劇愛にあふれ、売れている人もそうでない人もこんなに丁寧に描かれた脚本に、自分も出演させてもらえることが震えるほどにうれしかった」と回想。スペシャルゲストとして、「純粋に作品を楽しんだ」というなべおさみは「単純に涙を流した。日本っていいなと思いました。安田監督に拍手を!」と盛り上げます。

観客の誰もが息を飲んだクライマックスシーンの撮影秘話も!

14日(土)には、よしもと祇園花月で映画『侍タイムスリッパー』が上映され、出演者による舞台挨拶が行われました。
『侍タイムスリッパー』は、ひょんなことから現代の時代劇撮影所にタイムスリップした山口馬木也演じる幕末の侍が、斬られ役として活躍する姿を描いた痛快娯楽作品です。自主映画にも関わらず、東映京都撮影所の協力で製作された力作。娯楽作品としての面白さも商業映画を凌駕しているとの呼び声も高く、映像においても高いクオリティで観客を圧倒。さらにクライマックスでは迫真の演技が続き、時代劇史上トップレベルの緊迫感が漂います。

時代劇愛に溢れ、出演者全員が丁寧に描かれた心温まる作品

上映後はしばらく拍手がやまないほどの盛り上がりを見せ、直後の舞台挨拶では、安田淳一監督、沙倉ゆうのさん、福田善晴さん、冨家ノリマサさんがステージに。さらにスペシャルゲストのなべおさみが登壇。MCはこがけんが務めました。安田監督は「大変苦労して撮った作品なので、皆さんにご覧いただき、本当に言葉がありません」と感謝の言葉を。こがけんは「胸が熱くなる作品」とし、「時代劇の中に、さらにスペクタクルを落とし込んだ作品。時代劇への愛も素晴らしく、感激しました」と絶賛です。

劇中では助監督役の沙倉さんですが、実は実際にこの作品の助監督も兼任していたとか。「本当の助監督をしつつ、映画の中でも助監督をしたらおもしろいのでは?という監督の発想で始まったんですが、助監督の知識もないし、切り替えが大変でした」と本音をポロリ。寺の住職を演じた福田善晴さんは、安田監督のタフさを称えます。コロナ禍なども重なり、「この企画は流れてしまうのではとヒヤヒヤしていましたが、決して諦めず映画に懸ける監督の執念を垣間見ました」と明かします。

話題は、山口さんと冨家さんによる緊迫感あふれる立ち回りのシーンの裏話に。「一番こだわりがあったのは最後の立ち回りのシーン。1日で撮り終わる予定だったんですが、『次の日も撮影します』ということで、2日がかりで撮影しました」と裏側を明かします。こがけんも、「冨家さんの気迫がすごかったです」と感想を述べると、「台本を読んだ時に肝だと思ったので、必死でやるしかない、と覚悟を決めました」といいます。

また、この日は残念ながら舞台挨拶に来られなかった山口さんからの手紙を冨家さんが代読。役者人生25年の山口さんにとり、初めての映画主演作品となったこの作品。山口さんの手紙には、時代劇をつくる上で、時代劇俳優の条件についてこう書かれていました。「立ち方、歩き方、走り方、刀の扱い方など、これは誰かに教わらなくては絶対に身につきません。僕自身、時代劇から多くのことを学ばせてもらいました。そして京都の俳優の皆様、スタッフの方々にいろいろなことを教えていただきました。それがなければ、役者を続けることはできなかったと思います」。

痛快娯楽作品の時代劇でありながら、どこか温かい空気をはらんでいるこの作品に、なべおさみはその理由をこう語ります。「この作品には悪人がいません。こういう映画はあまりない。これは、監督の性格なのだろうと思います。こういう時代劇を通して、現代の日本社会にある『悪いところを見つけて足を引っ張ろう』みたいな世の中じゃない日本が生まれるといいなと思いました」。その言葉に、観客から惜しみない拍手が贈られました。

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