林海象らが“中島美学”語り尽くすアフタートークも!中島貞夫監督追悼上映『日本暗殺秘録』「日本暗殺秘録」上映アフタートーク

2023年10月13日(金)

レポート

この映画館で観てよかった

142分という長さを感じさせない、濃密かつエネルギッシュな映画世界に浸った余韻もそのままに、立川さん、林監督、バンさんが舞台へ登場。今回、初めて本作を見たという林監督は、開口一番「この映画館(よしもと祇園花月)で観てよかった。感動した。まさに中島監督と(共同で脚本を手掛けた)笠原(和夫)さんの本領発揮」と大絶賛。DVDで何度も観たというバンさんも「迫力が違う」と声を弾ませます。立川さんによると、制作時、中島監督はまだ35歳だったそうで、「それでこの完成度の高さ。メッセージのすごさ、カメラワークや俳優の演技の付け方…。これが映画なんだという気がした」との言葉に、林監督、バンさんも大きくうなずきます。

往年の大スターたちの演技も素晴らしく、林監督が「みんな本当にうまくてびっくりする。藤純子さんが本当に美しい。中島美学の集大成」と言えば、バンさんも「俳優さんの目の演技から本気度が伝わる」。キャストの華やかさゆえ王道の大作に見えるが、実はかなり実験的な作品である、という点についても3人の意見が一致。オムニバス映画なのに均等割りになっていないなど、構成も実に個性的で、中島監督にしか作り得なかった貴重な一作となっていると語りました。

中島監督との交流秘話もたっぷり

それぞれ中島監督との交流秘話も披露。林監督は中島監督から聞いたという深作欣二監督とのエピソードに触れ、「中島さんの映画と深作さんの京都へいらっしゃってからの映画はものすごく相似性がある。時間があれば見比べてみて」。バンさんは、中島監督がかつて近畿放送(KBS京都)で映画番組の司会をしていたため、当初は評論家だと思っていたとか。後に映画監督であることを知り、講演会でサインをもらった時に「映画を忘れないでね」という言葉をかけてもらったことが今も心に残っていると明かしました。

ほかにも、時代劇から現代劇への転身や音楽へのこだわりなど、多岐にわたる話題が次々と飛び出し、大盛り上がりのうちにトークは終了。終演後は、ロビーに展示された公開当時のポスターや台本、中島監督直筆の演出覚書など貴重な資料にファンの人だかりができていました。

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